アメックスカードには、メリットがないと一部ネット上で目にしますが、本当でしょうか?
決してそんなことはありません。
アメックスカードには主に海外利用時において、充実したサービスが豊富にあります。メリットなしとの声は海外利用を想定していない可能性があります。
今回は、アメックスの特典や使いやすさをアメックスカードの種類ごとに解説していきます。
目次
使いやすいアメックスカード8選|メリット・デメリット・使いこなす方法まとめ
世界中に存在するアメックスカードは、アメリカンエキスプレスが自ら発行している「プロパーカード」と他社と提携して発行する「提携カード」の2種類があります。
格式の高い「プロパーカード」に比べ、「提携カード」は入会条件が柔軟で間口が広いです。
以下で、それぞれ解説します。
①アメリカン・エキスプレス・カード(アメックスグリーン)
年会費 12,000円+税
アメックスグリーンはアメリカンエキスプレスが発行するプロパーカードで、最も標準的なカードであるものの、高ステータスで知られます。
年会費31,000円+税のアメックスゴールドと比較し、「キャンセルプロテクション」や「エアポート送迎サービス」などトラベルサービスは未付帯ですが、他に大きな違いはないです。
それだけ、アメックスグリーンはサービスが充実しており、コスパがよいことがわかります。
初めてクレジットカードを作成する人におすすめのカードといえます。
審査基準・期間
申し込みは、満20歳以上の定職についている人が対象です。専業主婦でも配偶者に安定した収入があれば、審査に通る可能性があります。
年収の目安は300万円以上とされ、勤続年数は長いほど有利です。
審査期間は申し込み方法で変動し、ネット申し込みなら最短1営業日で審査が完了します。
メリット
他社ではゴールドカード以上の特典である空港ラウンジの無料利用が付帯し、国内28の主要空港に加え、ホノルル空港のラウンジを会員本人だけではなく、同伴者も無料で利用できます。
上記に加え、「プライオリティ・パス」を年会費無料で持つことができ、国内外1,000ヶ所以上の空港VIPラウンジも利用できます。
一般カードは保険が未付帯であったり、付帯しても最高3,000万円までのものが多いです。
その点、アメックスグリーンは最高5,000万円の海外旅行保険と国内旅行保険が付帯しています。
デメリット
アメックスカードには年会費無料のカードはなく、年会費無料が多い他社の一般カードと比較すると、年会費の高さがネックです。
ただし先ほど紹介したとおり、一般カードよりはるかに充実したサービス(特にトラベル関連)が付帯しています。
海外旅行などによく行く人には、大きなメリットを感じられ、コスパの良いカードです。
他に国際ブランドでAmericanExpressを選ぶデメリットは、海外シェアが低い傾向にあることで、利用できない店舗・国があります。
デメリットを補うには、海外シェアの高いVISA、MasterCardのクレジットカードを持つことで解決します。
②セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費 3,000円+税(25歳以下は永年無料)
株式会社クレディセゾンが発行するアメックスカードです。25歳以下は年会費無料で、アメックスを若年層に普及する狙いがあります。
そのため通常のアメックスよりも審査が通りやすい傾向にあります。
26歳以上でも年会費が3,000円と安く、初年度は無料です。
審査基準・期間
申し込みは、18歳以上(高校生を除く)が対象です。
審査はアメックスではなくセゾンが行うのでハードルが低く、アルバイトや学生でも審査に通る可能性が高いです。
19時半までにネット申し込みをし、受け取り方法にセゾンカウンターを選べば、最短即日発行が可能です。
メリット
申し込みからカードが手元に届くまでは通常、1週間以上の期間を要します。
セゾンブルーアメックスは受け取り方法をセゾンカウンターにすれば、即日発行が可能です。
年間最高100万円のショッピング保険が付帯し、商品の購入日から120日間有効です。ネット上の不正利用被害を補償してくれる「オンラインプロテクション」もあります。
日本語対応の海外トラベル窓口を利用でき、ホテルの予約から旅行中のトラブルまで相談できます。「tabiデスク」から対象のパッケージツアーを申し込むと、旅行費用が最大8%オフにできます。
デメリット
セゾンブルーアメックスのサービスは、トラベルサービスに特化しているため、旅行に行かない人にはメリットが少ないです。
ただ、有効期限のない永久不滅ポイントを採用しているため、貯めたポイントを無駄なくギフト券などに交換できます。
また、家族カードを発行すると、1,000円+税の年会費が発生します。
維持費はかかりますが、配偶者や子どもも本会員同様にセゾンブルーアメックスの特典を生かせます。
③セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費 1,000円+税(初年度無料)
※年1回以上利用で翌年度年会費無料
セゾンパールアメックスは、ステータスの高いアメックスカードを年1回以上利用することで、年会費を実質無料にできるメリットがあります。
海外利用で様々な優待特典を受けられる「アメリカン・エキスプレス・トラベル・サービス」を無料で利用できます。
申し込み方法と受け取り方法によって、即日発行が可能なカードです。
審査基準・期間
申し込みは、18歳以上(高校生を除く)が対象です。
必要年収は30万円程度と少なく、学生やパートでも審査が通りやすいです。
審査期間は19時半までにネット申し込みを行い、セゾンカウンター受け取りにすれば、最短即日で発行されます。
メリット
年会費が初年度無料、年1回以上の利用で翌年度無料と、実質年会費無料でカードが持てます。
家族カードの発行手数料・年会費も無料で、最大4枚まで発行でき、家族も本会員と同様のサービスを受けられます。
貯めたポイントは、ギフト券や電子マネー、他ポイントへの移行(還元率は0.4~0.5%)など、幅広く利用できます。交換手数料はかからず、ANA(200ポイントで600マイル)やJAL(200ポイントで500マイル)マイルにも交換できます。
デメリット
ポイントの有効期限のない永久不滅ポイントを採用しているものの、通常1,000円につき1ポイント付与と、ポイント付与率が悪いです。
海外利用時はポイント2倍、セゾンポイントモールのキャンペーン対象店舗の利用でポイント最大30倍になるので、うまく利用すればデメリットをカバーできます。
また、セゾンパールアメックスは旅行保険が未付帯です。任意の海外旅行保険に加入するか、年会費はかかりますが旅行保険が付帯するセゾンブルーアメックスにするのも手です。
④アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
年会費 29,000円+税
今でこそプラチナ・センチュリオンとゴールドより高ランクのカードはありますが、以前はゴールドがアメリカンエキスプレスの最上位カードでした。
高付加価値の付帯サービス、プラチナ・センチュリオンの知名度の低さも相まって、アメックスゴールドは今も大きな影響力と高ステータスを持ちます。
審査基準・期間
申し込みは、20歳以上の定職についている人が対象です。
アメックスは一律の利用限度額を設けない事前入金制度があり、審査基準の年収は250~300万円前後とハードルは低い傾向です。
審査期間は、郵送や電話申し込みでは1週間~2週間かかり、ネット申し込みであれば1~3営業日で完了します。審査終了後、1週間前後でカードが手元に届きます。
メリット
アメックスゴールドは日本初のゴールドカードで、圧倒的な知名度とステータスを誇り、持っているだけで優越感に浸れます。
最高1億円の海外旅行保険が自動付帯、最高5,000万円の国内旅行保険が利用付帯と手厚い補償です。家族カード会員も海外・国内それぞれ最高5,000万円の旅行保険が付帯しています。
「空港ラウンジサービス」や「手荷物無料宅配サービス」などトラベルサービスも充実し、頻繁に旅行に行く人にとっては、メリットが大きいです。
デメリット
他社ゴールドカードと比べ、アメックスゴールド(年会費29,000円+税)は年会費が高いです。例えば、JCBゴールドカードと楽天プレミアムカードは、どちらも年会費10,000円+税です。
ただし、現在公式サイトで入会キャンペーンを展開しており、入会後3か月以内に60万円以上利用すると、最大30,000ポイント付与され、初年度の年会費の元は充分取れます。
充実のサービスが完備されていますが、使ってみて自分に合わない場合は、1年以内なら年会費はかかりません。
⑤ANA アメリカン・エキスプレス・カード
年会費 7,000円+税
ANAアメックスは、ANA(全日空)とアメリカンエキスプレスが提携したカードです。
別途「ポイント移行コース」(年会費6,000円+税)に加入する必要がありますが、貯まったポイントは1,000ポイントで1000マイルに交換できます。
ANAアメックスはポイントの有効期限が無期限で、失効で損することなくポイントを有効活用できます。
審査基準・期間
申し込みは、20歳以上の定職についている人が対象です。
これまで他社での支払い実績が問題なければ、年収は200~300万円程度でも大丈夫です。
審査期間は、ネット申し込みで最短即日完了します。手元にカードが届くのは5日~1週間前後です。
メリット
ANA JCBやANA VISAなど他のANAカードでは海外旅行保険付帯が最高1,000万円までの一方、ANAアメックスは最高3,000万円と手厚い補償額です。
国内旅行保険も一般的なANAカードは未付帯ですが、ANAアメックスは最高2,000万円ついています。
他にも、空港ラウンジを同伴者1名まで無料利用できます。海外滞在時レストランの予約などの対応を請け負う「グローバルホットライン」など、トラベルサービスが非常に手厚いです。
デメリット
1ポイント1マイルに交換でき、マイルの貯めやすいカードです。
ただし、マイルに交換する際は「ポイント移行コース」(年会費6,000円+税)に登録が必要です。
これはANAアメックスだけのデメリットではなく、ANA JCBやANA VISAと全てのANAカードでも同じです。
また、空港ラウンジの無料利用は、海外ではダニエル・K・イノウエ国際空港空港(ハワイ)と仁川国際空港(韓国)しか対応していません。
一方、国内の主要空港のラウンジはほとんど利用できるので、頻繁に海外旅行をしない人には問題ありません。
⑥JALアメリカン・エキスプレス・カード
年会費 6,000円+税
JALアメックスは、JAL(日本航空)とアメリカンエキスプレス、三菱UFJニコスが提携したカードです。
ETCカードは年会費無料で発行できます。中国圏で圧倒的なシェアの銀聯カードを年会費無料で発行できます。ただし、銀聯カードは発行手数料(本会員1,000円+税・家族会員300円+税)がかかります。
搭乗はもちろん、高速道路の利用やショッピングでもマイルを貯められるカードです。
審査基準・期間
申し込みは18歳以上で、本人や配偶者に安定した収入のある人が対象です。
学生(高校生は除く)や専業主婦でも申し込め、年収100万円程度でも審査に通る可能性のあるハードルの低さです。
申し込みをすると、3日前後の仮審査に入ります。仮審査をパスすると後日、申し込み書類が届くので、必要事項を記入して返送します。
本審査をパスし手元に本カードが届くのは、申し込みから3週間~4週間かかります。
メリット
JAL JCBやJAL VISA(年会費2,000円+税)などと比べ、JALアメックス(年会費6,000円+税)は年会費が高い分、付帯サービスが充実しています。
国内・海外旅行保険は、最高1,000万円の自動付帯と最高3,000万円の利用付帯とついており、家族特約も最高1,000万円ずつ付帯しています。
国内主要空港とダニエル・K・イノウエ国際空港空港(ハワイ)のラウンジが同乗者1名まで無料利用でき、一般カードでありながらゴールドカード並みのスペックを誇ります。
デメリット
一般JALカードとして充分な利便性がありますが、強いて言えばアメックスの国際ブランドは利用できる店舗が少なめです。
特に海外では、世界1、2位のシェアを誇る国際ブランドのVISAやMasterCardと比べて、利用できる店舗数が見劣りします。
海外利用が多い人は、VISAやMasterCardのクレジットカードをサブカードとして携帯することをおすすめします。
⑦MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費 20,000円+税
三菱UFJニコスが発行するプラチナランクのアメックスカードです。
家族カードを1枚まで無料発行でき、配偶者とともにプラチナカードの優位性を味わえます。
国内外で対応してくれる「コンシェルジュサービス」を24時間365日利用でき、特別な日に利用したい「プラチナ・グルメセレクション」では、指定コースの料金が1名分無料です。
ゴールドカードにはない上質のサービスや特典が付帯しているカードです。
審査基準・期間
申し込みは、20歳以上の安定した収入のある人が対象です。
年収は400万円以上は必要になりそうで、勤続年数は少なくても1年以上が望ましいです。
審査期間は、早ければ数時間で完了します。実際に手元にカードが届くのは最短3営業日とかなり早いです。
メリット
世界900ヶ所以上の空港ラウンジを無料利用できる「プライオリティ・パス」を無料発行できます。
「プライオリティ・パス」にはランクがあり、MUFGプラチナアメックスで発行できるのは最上ランクのプレステージ会員(年会費399ドル)です。
最高1億円の海外旅行保険(最高5,000万円の自動付帯・最高5,000万円の利用付帯)と最高5,000万円の国内旅行保険の付帯は、他のプラチナカードと同格です。
さらに家族特約があり、MUFGプラチナアメックスを持っていない家族の死亡・後遺障害があった場合、最高1,000万円まで補償されます。他の補償は本会員と同条件で受けられます。
デメリット
MUFGプラチナアメックスも他のアメックスカードと同様、海外の加盟店が少ないデメリットがあります。
MUFGのアメックスカードには、本カードとは別の国際ブランドのカードを持てる「デュアルスタイル」のサービスを提供しています。
JCB・VISA・MasterCardから選択でき、海外の加盟店が多いVISAやMasterCardにすることで本カードの利用範囲をカバーできます。
⑧楽天カード(アメックス)
年会費 永年無料
楽天カード株式会社とアメリカンエキスプレスが提携したカードです。
楽天アメックスは、年会費無料で高ステータスのアメックスカードを使える希少なカードです。
日本には1,000種類以上のクレジットカードがある中、アメックスブランドを年会費無料で利用できるカードは、セゾンパールアメックスやパルコカードなど数少ないです。
審査基準・期間
申し込みは、高校生を除く満18歳以上の人が対象です。
貯蓄があれば無職でも審査を通過できる可能性があるので、年収は関係ありません。現年収よりも、過去の信用情報を重視する傾向にあります。
審査には仮審査と本審査があり、仮審査は機械審査で最短1分、本審査は最短即日完了します。カードが手元に届くのは早くても3~4日程度かかります。
メリット
楽天アメックスはアメックスとはいっても、空港ラウンジの無料利用や手厚いトラベルサービスなどの優待はありません。
ただし、アメックスのみの特典で、ライブなどのチケット先行販売や世界400以上のレストランで割引などを受けられる「アメリカン・エキスプレス・インバイツ」は利用できます。
アメックス優待が受けられなくても、アメックスの高いステータス性は多くの人に認知されているので、節約しつつアメックスブランドを手にしたい人におすすめです。
デメリット
アメックスは海外利用が多い人(特にアメリカやカナダ)には向いていますが、国内利用が多い人にとっては加盟店は少ないため、他の国際ブランドの方が使い勝手は良いです。
楽天カードの魅力の一つは、多彩なデザインから好きなものをクレジットカードの券面に使用できる面ですが、アメックスは通常デザイン以外の選択はできません。
パンダデザインやディズニーデザインなど、かわいらしいカードを利用したい場合は注意が必要です。
アメックスはメリットを知れば使いこなせる便利なカード!
ここまで、高いステータスを誇るアメックスカードを紹介しました。
アメックス自社発行の「プロパーカード」は確かに憧れです。しかし、年会費がネックとなり悩んでいるなら、アメックスと他社の提携カードも選択肢に入れてください。
アメックスのプロパーカードに、年会費以上の特典があるのは間違いありません。ただし、充実したトラベルサービスをあまり受けないのであれば、年会費が無駄になってしまいます。
海外旅行に頻繁に行かないなら、提携カードの方が十分な特典があり、使い勝手も良いです。
この記事を読んでアメックスのメリットや特徴、提携カードとの違いを理解して、自分にぴったりのアメックスカードを見つけてください。
あこがれのアメックスカードを手にして、高ステータスの生活を送りましょう。